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岩元 洋介; 岩元 大樹; 原田 正英; 仁井田 浩二*; 沢井 友次
炉物理の研究(インターネット), (65), p.1 - 3, 2013/03
J-PARCのADSターゲット試験施設(TEF-T)、IFMIF施設等の新しい材料照射試験施設の設計では、放射線はじき出し損傷量(DPA)の評価が重要となる。発表者等は、PHITSコードによりはじき出し断面積を計算するため、クーロン散乱モデル及びイベントジェネレータを用いた照射損傷計算手法を開発した。この計算手法を新たに組み込んだPHITSを用いて、エネルギー範囲10MeV3GeVの中性子,陽子及び重陽子照射に対する代表的な構造材(14核種)のはじき出し断面積のデータベースを作成した。作成したはじき出し断面積を含むPHITSを用いて、TEF-T及びIFMIF施設を想定して、400MeV陽子及び40MeV重陽子が15cm厚さのステンレスへ照射した場合の深さ方向のDPA分布を計算した。その結果、400MeV陽子照射に関してDPA値は13cm深さまで核反応生成物の寄与のために、なだらかに分布するが、40MeV重陽子の場合、DPA値はステンレス表面付近でブラックピークと同じような形状で局所的に大きな値となることを明らかにした。以上のように、作成した断面積を含むPHITSにより、材料照射試験施設の構造材の照射損傷評価に必要な物理量を導出することが可能となった。